【はじめに】
久々のブログだというのに、こんなことを書かなくてはならないのは、本当に残念なのだが、先日行われた手帳の市2024秋の会場にてあまりにも目に余る行動を目の当たりにしたので、備忘録として記しておこうと思う。
ぼくが今回非常に残念に思ったのは、明らかに転売屋と思われるような人たちの商品の買い方である。
ライブコマースという手法なのだが、視聴者に対してライブ配信をしながら、商品を紹介し、希望者のために購入して、それを発送するというサービスらしい。
それまでにも、そのような人たちは何人もぼくのブースでみかけた。でも、恥ずかしながら、大量に買ってくれるのであれば、売り上げにもつながるので、黙認していた。
だって、その人たちのおかげで、3~5万円ぐらい売上が変わることも多いんだもの。
やはりぼくのように薄利多売の商売をやっていると、どうしても利益を出すために、ある程度の犠牲は仕方がないと思ってしまうもの。
だから、今までは、主催者側で禁止していても、まぁ、そんなに実害はないから、良いかなと多めに見ていた。
ただ、今回はあまりにもひどい買い物の仕方をされたので、ぼくはすっかりやる気を失ってしまったんである。
【事の顛末・1日目】
問題が起こったのは、初日の午前中。
以前にも何度か見かけたことがある女性がブースにやってきた。片言の日本語は喋ることができる東アジア系の女性。
ぼくのブースにやってきて、スマホを使って、やり取りを始めたんである。
最初にぼくの目を見ることもせず、当然挨拶もなしに、いきなりライブ配信を開始した模様。
一応主催者側からはライブコマース禁止という告知を受けているせいか、おおっぴらにやるというのではなく、こそこそ配信しているという感じだった。
正直、今回は滞在時間が長すぎた。恐らく10分ぐらいはそこにとどまっていただろうか。
その間、他のお客様はおらず、今から思うと、その転売屋と思われる人のせいでお客様がブースに来られなかったのかもしれない。
そして、ひとしきり、商品を手に取り、会計をすますと、さっさと他のブースに移動して行った。
まぁ、お得意さんでもあるし、沢山買ってくれたし、良いかなとぼくはその時点では諦めモードだった。
ところが、お昼過ぎにまた彼女がやってきて、同じようなことを始めたんである。
普通のお客さんだったら、喜んでぼくは接客をする。その商品がどんな商品で、どんな特徴があるのかということを冗談を交えながら話す。でも、日本語がそんなに通じないだろうし、彼女がKEN'S NIGHTの商品を使うわけではないから、ぼくはただただ、そんな彼女を茫然と見ているだけなのだ。
そのことにだんだんとぼくはイライラしてきて、思わずその様子を動画で撮ってしまったのだ。
向こうも勝手に動画を撮っているんだから、ぼくも撮っていいよね?って思ってさ。
でね、午前中と同じように大量に商品を選んで購入をしたのだが、残り二つになっていた、人気商品である猫の柄の入ったトレーシングペーパーを「後で買うから取り置きしておいてほしい」というのである。ぼくも面倒くさいから、脇によけておいたの。
でも、やっぱりこちらとしては、欲しい人に売りたいから、結局その二点を売ってしまうことになった。
どうせ戻ってこないかもしれないとも思ったし。
で、彼女が戻ってきたのは、夕方になってから。
「取り置きしておいたのに」と文句を言われたけど、
「なかなか戻って来ないからもう帰ったと思って売りました。欲しいという方がいらっしゃったので」と正直に話した。
そうしたら、彼女は「明日はある?買えますか?」と聞くのです。
実は、その日、同じような感じで転売をしていると思われる夫婦や、やはり無言で商品をいくつか買う女性や二人組の女性などを見かけていて、そのことでだんだんと怒りがこみあげて来たので「わかりません。あなたに売るかどうかもわかりません」と答えておいた。
明らかに転売屋だとわかる人たちに対して、ぼくは、すっかりやる気を失っていたのでいつもなら、色々と会話しながらお会計をしたりするのだが、彼らに対しては「はいはい、ペイペイね、はい、こちらスキャンして、はい、5600円、確かにどうもね!」みたいなぞんざいな対応が続いてしまい、そんな自分にも嫌気がさしてきたのである。
その時点でぼくの腹は決まっていた。
金輪際、転売屋に売るのはよそうと。
ぼくの中で何かがプツンと切れた感じ。
自分の大切にしているブランドが、ただ利益のためだけに消費されることにものすごく嫌悪感を抱いてしまったのだ。
確かに、薄利多売だから、たくさん売れるのはありがたい。今まで黙認してきたのは、そういう下心みたいなのもあったから。
ぼくが転売対策として、たくさん用意しておけば良いじゃないかと…。
でもね、荷物を運ぶのだって、配送費がかかるわけだし、転売屋が何を買うのかわからないから、どの商品をたくさん用意すれば良いかわからないから、配送費も無駄になってしまうかもしれない。そんなことをあれこれと考えていたら、なんだかばからしくなってきたんである。
利益のためだけにそんな精神をすり減らすようなことをして良いのだろうか?と。
【事の顛末・2日目】
そこで、ぼくは翌日にライブコマース禁止、メールを利用しての代行販売も禁止、海外への卸は行わない、KEN'S NIGHTの商品を買いたい人は日本に来い!というような内容の文章を、Google翻訳を使って、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語で用意しておいたんである。
そして、二日目、それらの警告文をあちこちに貼っておいて準備をした。
そうしたら、まず昨日も見かけた二人組の女性がブースにやって来た。商品を手に取ろうとしたので日本語で「あなたたち、昨日も来ましたよね?転売は禁止なので、今日はもう売れません」とはっきりと言った。
そうしたら「昨日は買えたのになんで?」と言うから「それは、ぼくがあなたたちが転売屋だと判断したからです。帰ってください!帰れ!Don't touch!!」とちょっと語気を荒げてしまった。
恐らく周りのブースにいた人たちはビビっただろう。(何となくそんな空気が流れてた…汗)
彼女たちは怪訝そうな顔をしながら去っていった。
そして、昨日のあのタチの悪い女性が来て大量に用意しておいた猫のレフィルを手に取ろうとしたから「触らないでください!あなたにはもう売りませんから!」と大声で言った。
「昨日は買えたのに何で急に」というから、また同じように、店主であるぼくの判断です。あなたはこれらの商品を転売しようとしていますね。ライブコマースは禁止してます。もうあなたには売ることはできません。帰ってください」とはっきりと伝えた。
彼女もまた不服そうな顔をしているが、こちらはガン無視を決め込んでいたら、仕方なくその場を離れて行った。
さらにもう一人、昨日大量買いをした女性がやってきた。これがまた悪質だった。同じように商品を大量に手にしようとしていたので、「転売屋には売らないから帰ってください。触らないでください。」と言ったら、またなんだかんだと片言の日本語で言い訳をしようとしたので、ついに切れたぼくは大声で「転売屋は帰れ!売る商品はない!帰れ!帰れ!二度と来るな!」と怒鳴ってしまった。
多分、あの時、ぼくの周囲のブースにいた出展者やスタッフ、お客さんも含めて、相当びっくりしたと思う。
大声を上げてしまったことは本当に大人げないし、反省しているが、普段はあまり怒ることのないぼくがそこまで怒るのはよっぽどのことだったと理解して欲しい。
案の定彼女は何か捨てぜりふのようなものを残して去って行った。外国語だったから、ぼくは理解できなかったけど。
その後も、昨日見かけた夫婦で転売していると思われる人たちや、初めて見かける二人組もいて、すべて断った。やはり怪訝そうな顔をしていたが、ぼくはまったく意に介せずというそぶりで対応。
中にはこの人たちは転売屋?と思えるような人もいたのだが、これだけいろんなイベントに出ていると、何となくわかってくるもんである。本当に文具好きの人は、お友だち同士で来ていたも、楽しそうにその商品を手に取って話をしている(外国語だから内容まではわからないけど)んである。
そして、最終的に2点か3点を「これください」と購入してくれる。そういう時はぼくは喜んで対応するし、必ずお会計の後には「どうぞお楽しみくださいね!」と声をかけるようにしている。言葉が通じなくても感謝の気持は通じるだろうからね。
そして、転売屋とぼくが判断した人に対してはすべて「あなた、転売屋でしょ?自分で使わないでしょ?だったら売れません。帰ってください」と毅然とした態度で対応。
中には「自分で使います」と言い訳をする人もいたけど、ぼくは売らなかった。非常にそこは難しいところではあるけど、KEN'S NIGHTの店主はぼくである。売る売らないの権限を持っているのはぼくだ。中には「なぜ転売屋と思う?」と言われることもあったので「ぼくの判断です。あなたは転売屋だとぼくが判断したから、申し訳ないけど、売れません」ときっぱりと断った。
もちろん、ひょっとしたら違うかもしれない。と頭の中を「?」がよぎることがないこともない。
でも、そこは自分の勘を信じるしかない。
あと、隣のブースの方からも「あれは転売屋ですよ」と教えてもらって、対応することもできたので、こういう情報共有も大事だと痛感。
でも、ぼくが徹底して転売屋対策をしたことをSNSで発信したおかげか、買物を楽しみにしている人にお越しいただき、午後は比較的楽しく接客をすることができた。
「今まで転売屋が嫌で近寄れなかったんです。たぶんそういう人多いと思いますよ」というお声もいただいた。
売上に関しても、それほど心配している程ではなく、そこそこの売上ではあったので、きっとそういう方々が買い支えてくださったんだと思う。
本当に感謝である。
【今後の対応について】
さて、今回の一連の対応を通じて、いろんなことを考えました。転売されるということは、それだけKEN'S NIGHTの商品が荷認知されているということでもあるので、喜ばしいことではあるかもしれないが、やはり店主であるぼく自身が嫌な気持になって接客がおろそかになることは避けたい。
なので、これからも転売屋と思われる人に対しては、毅然とした対応を取りたいと思う。
ライブコマースは一切禁止、さらにメールなどを通じて代行購入することも禁止します。あと、時々、中国国内で販売をしたいから小売をさせてくれという方もいらっしゃり、実はこの前まではOKしていたのですが、それもお断りすることにしました。
自分の目の届かないところで商品の売買をされるのが非常に嫌なのだ。これが、例えば、日本国内の小売店への委託販売という形だったらそのお店の利益にも貢献することにもなるし、ぼくはそういう文具店さんに育ててもらったという感謝の気持もあるので、喜んでお願いするだろう。
しかし、国外の販売に関しては、完全にぼくの目の届かないところで取引が行われるわけで、それは極力避けたい。
ぼくの商品を購入したい方は日本に来て、ぼくから直接買ってください。というスタンス。
ただ、問題なのは、最近ネットを通じて代理購入するケースが見られること。今ショップを休止しているのは、実はそういう理由もある。
クレジットカード払いにしているので、基本的にきちんとお金は振り込まれるのだが、配送先が倉庫だったり、なんだかよくわからない宛先だったりするので、それがちょっと問題。
サイトから注文した方はご存じだと思うが、ぼくはひとつの注文に対して、きちんと手書きのメッセージを添えるようにしている。しかし、そういうことをわけのわからない業者にもやらなくてはならないのかと思うと、憂鬱な気持になるのだ。
でも、その判断基準が配送先だけ、というのでは心もとないし。
なので、苦肉の策としてショップサイトでの購入制限は設けようと思っている。同一商品につき3個まで、のような形で対応するしかない。
イベントに関しても、やはり会話をしながらお買い物を楽しんで欲しいという気持ちがあるので、やはり転売屋に関しては一掃する方針は貫きたいと思っている。
さて、イベントの話に戻すと、これからも転売屋対策は行うことにしました。事前にきちんと文書にて転売などの行為を禁止する旨を掲示。そして転売と思われる人に対しても毅然とした態度をとる。あまりにも悪質な場合には、写真を撮って、SNSなどに注意喚起として挙げる(もちろん、顔などは写さず、服装などでわかるように配慮はする)。
また、運営側にも要注意人物として逐一連絡を取るなどの対策はやっていこうかと。
ただ、中にはもちろん、友だちに頼まれてという人もいると思う。そういう場合には、その旨伝えて欲しい。
できれば、そのお友だちからのメッセージをいただけたら嬉しい。「今回はどうしても行けないので友だちに頼みました」という一言があれば、こちらも安心して対応できる。
ぼくは話し好きなので、できるだけ買物に来てくれたお客様とは会話をしながら商品を選んで欲しいのだが、中には人見知りを発動してなかなか話しかけられないという人もいるだろう。そういう場合もお手紙なりメッセージカードなりをいただけると嬉しい。
本当はこんなことをしないで済むようになりたいけど、やはり転売屋対策はイタチごっこなところがあるので、ある程度の対応をしなくてはならないことはご了承いただきたい。
【お願い】
そして、ここからがまた大切なことです。これは全出展者さんに対しても言えることだが、できるだけ皆さんで買い支えて欲しい。しばしば「もったいなくて使えない」という声をいただきますが、使ってください。じゃんじゃん使ってください。そして商品を購入してください。もちろん、全種類とは言いません。皆さんのお財布事情というのもあるでしょう。しかし、商品を開発、販売するには、資金が必要となります。できるだけぼくも皆さんに喜んでいただけるように販売方法や告知方法を工夫していきたいと思うので、皆さんもクラファンだと思って、KEN'S NIGHTの商品を購入して欲しい。
そうすればぼくも転売屋に魂ごと商品を売らなくて済むので。
ぼく自身も、日々の生活に追われて、なかなかブログをアップできなかったり、情報発信が遅くなったりしているので、これからはもっとこまめにKEN'S NIGHTの商品の魅力を伝える努力はしていきたいと思っている。
なので、ぜひぜひ、少しでも気になった人は商品のご購入、よろしくお願いします。
あと、同業者や出展者さんにもお願いがあります。
それは情報共有。最近こういう転売屋をみかけたとか、大元締めがいるようだ、とか、このサイトで転売商品をみつけたとか、そういう情報をいただけると嬉しい。